「憲法って何?」 弁護士/岩佐 英夫

 憲法「改正」が重大問題になっている今、そもそも「憲法って何?」という問いに正面から向き合う必要があります。
 
 憲法97条は「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、これらの権利は過去幾多の試練に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである」と述べています。これは、憲法は世界の民衆の血と汗のたたかいの結晶であり、日本国憲法は、その最良の成果をうけついでいることを示しています。「押付け憲法論」は、この本質を理解しない軽薄な議論です。
 
 
〔市民革命による「近代憲法」の出発点〕
 憲法の本質は、国民が「権力者の手をしばる」ことです。それは、近代憲法の歴史そのものです。
 第1は税金問題です。「誰から・どのように税金を公平に集め(応能負担の原則)」、「誰のため・どのように税金を使用するか(所得や資産の偏在の是正・再分配)」こそ、政治の根本です。そして勝手な増税は許されません(「租税法律主義」)
 第2は、権力者が、「市民を勝手に拘束・処罰すること」は許さないという「人身の自由」の保障です。日本国憲法は、戦前の弾圧の歴史の苦い教訓から「適正手続の保障」等10カ条にわたり、人身の自由を具体化する詳細な条項を置いています(31条〜40条)。「人身の自由」は、信教の自由、言論表現の自由、結社の自由等に発展していきます。
 
 
〔社会権〕
 資本主義発達により必然的に発生してくる景気循環・恐慌・失業・貧困・格差等に対する勤労人民のたたかいによって、労働者の団結権・団体行動権、労働時間の短縮・休暇、最低賃金、教育を受ける権利、生活保護・医療費の公費負担や年金等の社会保障を前進させてきました。憲法13条、25条、26条、27条、28条等の社会権は、こうした闘いにより勝ち取られてきたものです。
 
 
〔いまこそ学習を〕
 草の根の学習会が大切です。講師派遣のご希望がございましたらご連絡ください。多くの開催を願っております。


(2013年5月)

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