安心して働ける社会づくりを! 弁護士/清洲 真理

〔1〕安倍政権の「雇用制度改革」
 安倍首相は2013年2月、労働市場の流動化をすすめる正社員「改革」を行い、「世界で一番企業が活躍しやすい国」をめざすと打ち出し、今年6月には、時間でなく成果で評価する制度改革や多様な働き方の拡大をめざす、としました。

〔2〕「雇用制度改革」の問題点
 「改革」の名の下に進められるのは、(1)労働者派遣法の「改正」(2)解雇の金銭解決(3)ホワイトカラーエグゼンプション(4)ジョブ型正社員などです。
 しかし、(1)は、現在も不十分な常用代替防止の原則を更に後退させます。特に、3年を超えて派遣継続を認める点が問題です。現制度では、派遣労働者を3年働かせた派遣先に、派遣労働者を直接雇用する義務が発生しますが、「改正」によって、派遣先は派遣労働者を入れ替えれば、3年を超えて同一業務への派遣継続が可能になります。直接雇用の代わりとして派遣労働者を使い続けることが許され、不安定な働き方を強いられる。派遣労働者数が増え、正社員が減少する点で、「正社員絶滅法案」といわれています。
(2)は、雇用側が金銭を支払えば、違法で許されない解雇が正当化されます。解雇のハードルが下がり、正社員の雇用も不安定になります。
(3)は、一定の労働者の労働時間規制を外すもので、いくら残業をしても、残業代が支払われなくなり「残業代ゼロ法案」といわれています。
(4)は、勤務地、仕事内容を限定して雇用し、支店の閉鎖など正社員であれば違法解雇となりうる理由でも解雇でき、正社員より不安定な雇用となり、賃金も低く抑えられます。

〔3〕労働法制の順守徹底を
 現在の労働法制の下でも、ブラック企業、過労死など社会問題があります。規制緩和ではなく、労働法制をきちんと守らせるべきです。
 安心して働ける社会を作っていくのは、国の責任です。労働者の保護をないがしろにする改悪に、反対の声を上げましょう。



(2014年9月)

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