ユナイテッド・パワーに勝訴! -- マルチ救済の新判決獲得のご報告
弁護士 井関佳法

 ご両親と息子さんが3人とも、ユナイテッド・パワーというマルチの被害にあいました。儲かるからと、一家3人がそろってそれぞれ50万円のパソコンを買わされましたが、実際には儲からず。なんとかならないかと相談に来られました。

 クーリングオフの内容証明を送り、支払ったパソコン代の返還を要求しましたが、ユナイテッド・パワーが拒否したことから、裁判で争うことになりました。

 特定商取引法は、連鎖販売(マルチ)取引について、契約の際に「概要書面」と「契約書面」の交付を求めています。同法37条2項は契約書面について「契約を締結した場合において」は「遅滞なく」「その連載販売契約の内容を明らかにする書面をその者に交付しなければならない」と定めています。そして、クーリングオフは契約書面が交付されてから20日以内とされています。

 ユナイテッド・パワーでは、契約に先立って「UP代理店入会のご案内」(表紙に概要書面と表示されている)及び「UP代理店契約内容」(表紙に契約書面と表示されている)と題する2冊のパンフレットを交付して勧誘し、「UP代理店契約内容」と題するパンフレットに綴られている「申込書」を郵送して契約の申込をするシステムを採用しています。契約は、申込書がユナイテッド・パワーに着いて、審査がされて、OKの返事を発送するまで成立しません。そうすると、ユナイテッド・パワーが交付した上記2冊のパンフレットは、契約締結前の交付と言うことになり、20日の期間はいまだスタートしておらず、クーリングオフができることになります。

 判決は、上記条文の規定の仕方に加えて、契約書面交付の趣旨が、契約内容明確化による判断の適正化のみでなく契約後の「熟慮を促す」ものであることを理由に「契約締結前に契約内容を明らかにする書面が交付されたとしても、それにより、クーリングオフは制限されない」と、初めての判断を示しました。

 ユナイテッド・パワーと契約した方ばかりでなく、同種の契約システムが採用されている場合には他のマルチでも、形式的に救済が可能となるはずです。 ご相談ください。

(2007年2月)

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