悪質家主に裁判所が断罪!保証金「天引」・更新料を認めず
弁護士 岩佐 英夫


 最近、宇治簡易裁判所で借家人の立場に立った明快な判決が出されました。Aさんは、あるマンションに入居しました。契約書の条件は、家賃65,000円、共益費5,000円、「保証金」30万円(明渡時、無条件に25万円天引き)、「更新料」は家賃2ケ月分です。
 しかし、契約の場所に車を駐車していたのに傷つけられる、廊下にゴミの放置、消火器の点検もしていないなど家主の管理があまりにひどいので、Aさんは、次の転居先が見つかり次第マンションを出る旨契約期間満了の1週間後に申し入れました。
 ところが、家主は、「契約書」の記載をたてに保証金の25万円「天引き」、また、Aさんが実際に転居した日が、2年間の契約期間を1ケ月経過していたことから2ケ月分の「更新料」を要求しました。Aさんは家族に赤ちゃんがいましたが、部屋明渡しのときも入居時と殆ど変わらないくらいきれいに使用しており、こうした家主の要求は納得できず、「保証金」の全額返還、車の修理費及び慰謝料を求めて裁判を起こしました。裁判所は、慰謝料こそ認めなかったものの、「保証金」から無条件で25万円を天引きする特約は消費者契約法10条に違反し無効である、「更新料」は借主の明確な合意がない限り請求できないとして家主の主張を認めず、逆にAさんの車の修理費の請求を認めました。「敷金」をめぐるトラブルが増え、“保証金天引き方式”が“流行”する中、この判決は明快な歯止めをかけました。

(2006年5月)
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