申請後4ヶ月あまりでの過労死労災認定 弁護士/毛利 崇

 被災者の方は、40代後半の男性で、会社の海外研修旅行中に宿泊先のホテルで亡くなられました。労災申請を2010年8月に行い、同年12月の終わりに認定され、迅速な手続きによる救済となりました。
 現在の過労死の認定基準では、被災前6ヶ月の時間外労働時間が、業務との因果関係を推認させる大きな要素となっており、業務それ自体の過重さと同時に、直前6ヶ月の長時間労働をどのようにして確認できるかが大切です。本件では、休憩時間の取り方やタイムカード外の労働実態の把握等が、重要な要素となりました。そのため、会社の社長さんや当時の同僚等から聞き取りを重ね、監督署に申請する前に、重要な点を確認することに留意しました。
 過労死・過労自殺などの労災申請数は、残念ながら高水準を保っていますので、人数の限られている各監督署の担当官の担当件数はかなりの数字になっていると思われます。従って、労災申請するに際しては、十分な調査確認等を行った上で、監督署の担当官が調査をする視点や確認すべき内容を整理するという努力が申請をする側においても事実上必要になっていると思います。本件では、そうした準備と対応が功を奏し、発症前6ヶ月の時間外労働時間が、100時間を超えていたことが認められ、早期の労災認定につながったと考えています。


(2011年6月)

戻る

home