新・生存権裁判  提訴のご報告 弁護士/清洲 真理

1 厚生労働大臣が行った生活扶助基準の引下げが違憲・違法であるとして、京都の生活保護利用者述べ55名が、国や京都府などに対し、引下処分の取消と国に対する1人あたり1万円の損害賠償を求めて、2014年12月と翌年1月に、京都地裁に提訴しました。
2 今回取消を求めているのは、2013年8月と2014年4月の2回の引下げです。全国の提訴は、19地裁589名にのぼり、生活保護の関係裁判では過去最大の規模です。
3 生活扶助基準の引下対象は、受給世帯の96%です。生活保護基準部会が検証して決定した引下額は90億円でしたが、厚労省が突如「物価下落」を理由に580億円の削減を上乗せし、合計で670億円の削減が決定されました。
4 生活保護は、憲法25条の「健康で文化的な最低限度の生活」を保障するものであり、この水準を引き下げると、最低賃金や年金など、社会保障制度全体の水準の低下を招きます。現に、生活扶助基準の引下げで、経済的に就学困難な生徒やその保護者に支給される就学援助制度の対象者が縮小されるなど、生活保護利用者以外にも深刻な影響が出ています。
5 2012年には、日本の相対的貧困率が16%と過去最高を記録し、ひとり親世帯の貧困率は59%と、OECD加盟国30か国中最悪となっています。格差と貧困が深刻化する中で、新・生存権裁判によって、生活保護や貧困の実態を広く訴え、社会保障の充実を求めていきます。

 私も弁護団の1人としてがんばっています。裁判へのご協力・ご支援をお願いいたします。


(2015年4月)

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