原発賠償京都訴訟  国の責任を認める判決! 弁護士/清洲 真理

一部勝訴 福島第一原発事故で多量の放射性物質が放出され、京都への避難を余儀なくされた原告57世帯174名が、国及び東電に対し賠償を求めた訴訟で、2018年3月15日、京都地方裁判所は、国及び東電の責任を認め、54世帯110名に対し、総額1億1000万円の支払を命じる判決を下しました。
 判決の大きな意義は、(1)国の責任を認めたこと、(2)自主避難者(政府指示によらずに避難した方)の賠償を認めたことです。
 (1)について、国は、事故を予見できず、回避できなかったと主張していましたが、判決は国の主張を退け、国は遅くとも2006年末までに、東電に対し権限を行使し、防波堤の設置等の対策をとらせていれば、事故を回避できたと判断しました。(2)について、国は、政府が避難指示を出す基準「年間被ばく20ミリシーベルト」が避難の相当性の基準だと主張しましたが、判決は、それ以外の地域の方であっても、個人の置かれた具体的な事情によっては、避難が社会通念上相当な場合もあるとして、自主避難者の損害の支払を命じました。
 国の責任を断罪したこと、また、個々人の具体的事情を考慮して避難の相当性の基準を立て、広く自主避難者の救済を図ったことは、評価すべき点です。
 他方で、判決は、自主避難者への賠償期間を、避難時から2年経過までと限定しましたが、たった2年で帰還することは困難であり、実態を反映しておらず不当です。また、慰謝料についても、地域コミュニティが破壊されたことを固有の損害と認めない等、不当に低く抑えられています。
 3月28日、国及び東電は判決を不服として控訴し、原告らも同日に控訴しました。今後は、大阪高等裁判所で審理が行われます。引き続き尽力してまいります。
(2018年5月)

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