「副業で月○○万円」? 弁護士/石井 達也

 「副業で月収○○万円!」「簡単な副業で毎月○万円稼げる!」、そんな広告を見たことありませんか? なかなか収入が増えない中、物価がどんどんあがっていきます。老後の生活も不安です。最近は政府も「副業」を積極的に宣伝しています。そんなとき、魅力的な「副業」広告を見ると、つい「自分もしてみようかな?」と思ってしまいます。ところが、この副業をめぐるトラブルが多くなっています。トラブルの多くは、お金を払ったのに、思ったよりも稼げなかったというものです。ノウハウを教えると言われて百万円以上も支払ったにもかかわらず、まったく収入にならず、借金だけが残ったというケースもあります。
 電話で勧誘を受けて契約してしまった場合には、クーリングオフが可能な場合があります。クーリングオフというと、8日間しかできないと思われがちですが、特定商取引法にいう「業務提供誘引販売取引」(いわゆる内職モニター商法)に当たれば20日間のクーリングオフ期間が認められています。また、業者が適切な書類を作成していなければ、適切な書類が交付されるまでクーリングオフ期間が進行することはありません。その他にも、法的に主張できることがあるかもしれません。契約してしまっていてもあきらめないでください。
 悪質な業者にお金を払ってしまうと取り返すことは非常に難しくなります。第一には、「簡単に稼ぐ方法などない」と冷静に考え、怪しげな広告や儲け話はすべて無視することです。とはいえ、人間だれしも弱っているときはありますし、つい「うまい話」を信じてしまうこともあります。そんな時は、弁護士にお気軽にご相談ください。

(2023年11月)

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