京都南法律事務所
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早わかり法律相談 刑事手続

3. 保釈とは?


 起訴された後、一定のお金を裁判所に預けて、釈放される制度です。
 保釈の請求は、捕まっている本人、配偶者、親、子、孫、祖父母、兄弟姉妹、弁護人等が裁判所に対して行います。通常、捕まっている人と同居していた家族の身元引受書も一緒に提出して、保釈が認められた場合の監督を約束してもらいます。
 保釈が認められるかどうかは、[1]罪の重さ、 [2]犯罪を繰り返し行っていないか、 [3]罪を認めているか 、[4]証拠を隠滅すると疑う相当な理由がないか等によって違ってきます。
 保釈が認められる場合、保釈保証金の額は、犯罪の性質や捕まっている人の資力等を考えて個別に決められます。逃亡しないでおこうというプレッシャーになる金額は、その人ごと、その事件ごとで違うからです。実際には、150万円より安くなることはめったになく、経済的に苦しい人でも200万円、300万円となることが多いようです。
 ただし、被告人や家族が保釈保証金を自力で用意できない場合でも、全国弁護士協同組合連合会の提供する保釈保証書発行事業や一般社団法人日本保釈支援協会の提供する保釈保証金立替システムなどを利用することで、保釈保証金を用意することができます。
 また、保釈が認められる場合、共犯者や被害者等と直接会うことや連絡を取ること等が禁止される場合が多いです。この条件を守らなかった場合、保釈が取り消されたり、保釈保証金が没収されたりすることがあります。
 保釈が認められた後、きちんと裁判に出て判決を受け終えた場合、保釈保証金は全額、裁判所から返してもらえます。


4. 執行猶予とは?


 たとえば、「懲役1年6月、執行猶予3年」の判決の場合、判決が確定してから3年間、新たに犯罪を行なう等して、執行猶予の言い渡しを取り消されることなく、猶予の期間を経過したときに懲役刑を受けなくてよくなるという制度です。
 執行猶予は刑罰が3年以下の身体刑か50万円以下の罰金についてのみ認められ、刑務所を出て5年経たないうちに犯してしまった罪である等の場合には執行猶予をつけることができません。
 一般に、初めて犯した罪で、覚醒剤の自己使用や少額の窃盗等、比較的軽い犯罪については執行猶予がつけられます。
 もちろんあくまで、「猶予」ですので、執行猶予中に別の犯罪で有罪判決を受けた場合には「猶予」は取り消され、元々の刑に服することになります。
 また、一部執行猶予という制度もありますが、この制度は実刑に服した後、残りの刑の執行を猶予するものであり、一般的な執行猶予とは全く異なる制度です。


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