京都南法律事務所 行ってきました・見てきました

行ってきました・見てきました

INDEXへ戻る
No.6
原発ゼロへの夢と希望を切り拓く「風レンズ風車」発電

☆去る4月29日に「深草の環境を守る会」の主催で、兵庫県能勢町の太陽光発電所、及び京都府南丹市園部町の「風レンズ風車」発電所を見学に行ってきました。前者は、ダイオキシン公害反対の住民運動で閉鎖されたゴミ焼却場跡地が太陽光発電所として立派に活用されている点で印象深いものでした。しかしながら、園部町の「風レンズ風車」発電所は、それ以上に感銘深いものでした。

☆日本における風力発電は、当初は北欧型が中心でした。しかしながら、平坦地の多い北欧と、険しい山々が海の間際まで迫るところも少なくない日本とは、風などの自然条件が大きく異なります。また大きな風車は、騒音や鳥類を巻き込む等の公害問題もあり、近隣の農民・漁民・住民等の反対もあります。京都府伊根町の「太鼓山」に導入された風力発電機は落雷等のため現在では全て故障して使えなくなっています。土地の古老は、昔から落雷が多いから「太鼓山」と呼ばれてきたのに、古老の意見も聴取せずに、こんなところに風力発電所を設置するのが根本的に間違っていると指摘しているそうです。

☆ところが「風レンズ風車」は、こうした欠陥を克服した、素晴らしい未来性のある発電方式です。「風レンズ風車」の原理は、簡単にいうと風車の周囲にリングをつけ、このリングの一方の端に鍔(つば)をつけます。

  • すると鍔の部分にあたった空気が → 鍔を回り込み気圧が低下 →気圧低下部分に周囲の空気が流れ込む →この原理によりレンズ風車の中の風速が1.3〜1.5倍になります。
  • 「風レンズ」の中の風速が1.4倍になると約3倍もの発電ができます。鍔つきリングが風を集める作用を、レンズが太陽光を集める作用に対比して「レンズ風車」と名付けられています。このアイデアは未来の自然エネルギー発電の展望を開くものとして、既に世界的な注目を浴びつつあります。

☆風レンズ発電のアイデアは九州大学応用力学研究所の大屋裕二教授を中心とするグループが開発し、その実用化部品の80%を国内十数社の町工場で製作しています。この町工場のリーダー的存在が園部町にある「有限会社共立機工」です。同社は瑠璃渓に向う道路沿いののどかな田園地帯の中にあり、夫婦と長男・次男の4人家族で運営しています。現地見学で風レンズ風車のすぐ近くまでいきましたが、鍔つきリングのおかげで騒音は殆どありません。大屋教授は、もともと流体力学の専門家で、強風被害から橋梁を守る等の研究をしてこられた方ですが、「風レンズ風車」のアイデアは、それまでの研究成果を180度逆転させることで到達したものだということです。

☆また、園部町の「風レンズ風車」は内陸部にありますが、大屋教授研究グループは、海上に浮かべた六角形の浮きの上に「風レンズ風車」を設置する実験を成功させています。

  • 海上の「風レンズ風車」は相当強い台風にも立派に耐え抜いています。六角形浮きを蜂の巣のように次々と拡大していくことが可能です。この浮きの下に魚の養殖場をつくるアイデアもあります。
  • 日本の周囲は全て海ですから、この海上「風レンズ風車」発電は無限の可能性を秘めており、原発をゼロにしても充分電力を賄えます。また「風レンズ風車」の原理は、そのまま「潮流発電」にも応用できます。

☆大屋教授グループの、もうひとつ凄いところは、部品製作について、大企業のオファーを基本的に断り、上述のように日本国内の優秀な技術を有する町工場グループと提携した点です。これは国内での地域経済の循環・発展という点でも日本の未来を切り開く大きな可能性を有していることは、既にドイツの経験が教えるところです。

☆しかるに日本政府は、この素晴らしい「風レンズ風車」発電に「発電事業」としての認証をなかなか認めようとせず、大企業が参入する従来型の風力発電による海上発電には250億円もの補助金をつけながら、「風レンズ風車」には数千万円の補助金しかまわさないという態度です。

☆しかしながら、「風レンズ風車」は、現在、カナダのプリンスエドワード島("赤毛のアン"の舞台)で世界認証の試験を受けており、世界認証を取得すると、世界中の電力系統に接続できる国産初の小型風力発電となります。まさに夢と希望を与えてくれる「風レンズ風車」ではないでしょうか?

弁護士 岩佐英夫 
「風レンズ風車」発電
このページのTOPへ戻る


home