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集団的自衛権

 集団的自衛権とは、「自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止する権利」と定義されます。このような権利を日本が行使することは認められるのでしょうか。
 日本国憲法9条は、戦争と武力による威嚇、武力の行使を放棄し、戦力の不保持を宣言しています。しかし政府は、自衛隊の発足当初から自衛隊は「自衛のための必要最小限度の実力」であって憲法9条にいう「戦力」にあたらないと解し、憲法学説等から強い批判を受けてきました。個別的自衛権の行使を前提とした現在の自衛隊についての政府解釈ですら、既に憲法9条の文理解釈を逸脱しているといえます。
 ましてや、集団的自衛権の行使が、憲法9条の文理上認められないことは明らかです。政府も「我が国が、国際法上、このような集団的自衛権を有していることは、主権国家である以上、当然であるが、憲法第9条の下において許容されている自衛権の行使は、我が国を防衛するために必要最小限度の範囲にとどまるべきものであると解しており、集団的自衛権を行使することは、その範囲を超えるものであって、憲法上許されない」(1985年9月27日、政府答弁書)とし、集団的自衛権の行使は認められないと説明してきました。
 集団的自衛権行使を認めれば「自国と密接な関係にある外国」、すなわちアメリカへの武力攻撃を阻止するため、日本は武力を行使することになります。アメリカに敵対する国を全て日本の敵として武力行使をすることになり、絶対に戦争はしないと誓った憲法9条とは正反対の国になることを意味します。
 さらに、そもそも憲法は権力を縛ることを本質としています。これを立憲主義といいます。明文改憲を経ることなく、憲法の解釈を一内閣の判断や時の国会多数派の決定で変更することは、この立憲主義に反する暴挙といえます。安倍政権の下、改憲論議が沸き起こっていますが、集団的自衛権行使を解釈改憲によって認めようとする策動は、立憲主義を無視し、実質的に日本国憲法の平和主義を亡きものにする企てといえます。

(弁護士 毛利 崇)

(情報更新:2014年9月)


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