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憲法24条 「家族生活における個人の尊厳と両性の平等」

1 日本国憲法24条は,次のとおり規定しています。

1項
 婚姻は,両性の合意のみに基いて成立し,夫婦が同等の権利を有することを基本として,相互の協力により,維持されなければならない。
2項
 配偶者の選択,財産権,相続,住居の選定,離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては,法律は,個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して,制定されなければならない。
 旧民法では,「家制度」があり,戸主は家の統率者として,家族の婚姻や養子縁組に対する同意権などが認められていました。家族関係が戸主の意思に左右されていたのです。
 戸主の地位は,家督制度により承継されました。また,前戸主から新戸主へ全ての財産が承継される単独相続(家督相続)でした。
 日本国憲法24条は,家族生活における個人の尊厳と両性の平等を実現する法制度を求めています。これを受けて,昭和22年の民法改正により家制度は廃止され,親族・相続の規定は大きく改正されました。

2 夫婦別姓選択制,女性の6か月の再婚禁止期間廃止問題
 現在の民法の規定では,夫婦同姓となっており,夫婦別姓の選択は認められません。
 また,離婚後は,男性は直ちに再婚できますが,女性については,6か月間再婚を禁止する規定があります。
 これらについて,女性の社会進出,キャリア形成や,科学技術の発達など時代の変化,要請に応じて見直しを求める声が強くなりました。
 現在,これらの規定は憲法違反であるとして争う2つの裁判が,最高裁判所に係属しています。どちらの裁判も,第1審及び第 2審では,民法規定の違憲性を認められず,棄却となっていました。
 最高裁判所大法廷は,2015年11月4日に口頭弁論期日を指定し,遅くない時期に判決が出される可能性があり,注目されます。

3 同性婚と憲法
 2015年6月26日に,アメリカ合衆国連邦最高裁判所において,同性婚は,法のもとの平等を掲げる合衆国憲法上保障されており,これを禁止する法律は違憲であるとの判決が出されました。
 世界の国々においても,同性婚を認める国が増加しています。
 ところで,日本国憲法24条1項では「婚姻は,両性の合意のみに基いて成立し」と規定されているため,同性婚は憲法上許されるのか,という議論があります。
 しかし,日本国憲法24条2項の「個人の尊厳」,13条の「幸福追求権」,14条1項の「性別に基づく差別の禁止」規定も合わせて考慮すれば,憲法制定当時は,同性婚を想定していなかっただけであり,同性婚を禁止するものではないという見解が説得的と思われます。
 性的少数者の割合は,2015年4月の電通のインターネット調査では,人口の7.6%,13人に1人という数字が出ています。
 当事者を支援する団体は,性的少数者とその家族は法的な不平等とそれに伴う社会の偏見に悩み苦しんでいると訴え,同性婚を認める法改正を求めています。

(弁護士 吉田 眞佐子)

(情報更新:2015年8月)


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