コラム 清洲 真理 
「旗出し」について
(2018.8.31 関西建設アスベスト京都訴訟大阪高裁判決)
▲(2018.8.31 関西建設アスベスト京都訴訟大阪高裁判決)
 裁判のニュースで、時々見かけるのが、縦長の白い紙に「勝訴」「無罪」「不当判決」などと書かれたものを、裁判所の前で掲げているシーンです。
 正式な言い方があるのか解りませんが、「旗出し」と呼ばれています。掲げているのは、裁判に代理人として関わっている弁護士です。
 私はこれまでに3度、いずれも原告代理人として関わった社会的事件の裁判で旗出しを担当しました。弁護団の中でも、若手が担当することが多いからです。
 法廷内では、出口近くに着席して待機し、判決の言い渡しの途中でも、結果が分かり次第、掲げる旗(ポスターのように丸めています)をつかみ、裁判所の敷地前を目指して駆け出します。構内で旗を開かないよう、裁判所職員が並走しながらチェックします。
 正面玄関から飛び出すと、敷地前に集まった支援者やマスコミなど、大勢の方々の視線が一斉に集まります。走り抜けて一気に旗を広げると、ドッと声が上がり、シャッターの光に包まれます。気を付けていることは、旗に顔が隠れないよう、必ず表情が見えるようにしています。
 私が担当した旗出しは、いずれも勝訴判決でした。事前に判決の結果(勝訴、敗訴等)に応じて複数の旗を準備していますが、良い旗を使うことが出来た時は、本当に嬉しいです。
 旗出しは、長く続く裁判の中では、1つの場面にしか過ぎませんが、担当した弁護士にとっては、これまでの出来事を振り返り、これからのことを思う、印象的な体験でもあります。
2018年11月