メンバーの素顔紹介 杉山潔志

格差社会と重罰化


 わが国の政府は、90年代から新自由主義にもとづく規制緩和・自由競争政策を展開したことから、国民の格差が拡大し、年収200万円以下の人が1000万人を超えました(朝日’08.9.28)。

 他方、自動車運転致死傷罪など犯罪の新設、有期懲役・禁錮刑の長期を15年から20年(加重する場合は長期20年から30年)とするなど刑罰の重罰化を行い、犯罪の公訴時効期間も、死刑にあたる罪について15年から25年にするなど全体的な延長が行われました。このような重罰化には、刑罰の威嚇によって、競争社会が生み出す敗者を犯罪に走らせないようにする意図が窺えます。

 しかし、刑罰の威嚇効果をあざ笑うかのように、京田辺市での少女による父親殺害事件、神戸市のいじめ自殺事件など社会を震撼させる犯罪が続発しています。

 安全な市民社会は、刑罰の抑止力ではなく、過度の競争や格差の是正、人権の尊重などの経済政策や社会政策によって実現されるのではないでしょうか。


(2007年10月)


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