メンバーの素顔紹介 杉山潔志

法と道徳、心について

 私も「近ごろの若い者は・・・」と言う年齢になってきた。この言葉は、昔から延々と言い続けられているそうである。ひんしゅくを買うのは若い者ばかりではない。
 電車の中では、老いも若きも携帯電話で一心不乱にメールを送ったり、話したりしている。「犬の散歩禁止」の看板を無視して公園で犬を散歩させる人も多い。その上、糞の処理をしない者もいる。禁煙場所での喫煙やバスやタクシー待ちの列への割り込みなどマナーを無視した行為はいくつもみられる。
 あまりにもマナーが守られないと法律で規制しようということになってくる。空缶ポイ捨て条例やくわえ煙草条例などがその例だ。法的に規制することは、公権力が刑罰をもって市民生活を統制しようということである。しかし、マナーや道徳について、公権力ばかりに頼っていいものだろうか。
 今、文部科学省が音頭をとり、「心のノート」という冊子を全国の児童・生徒に配布して、道徳教育を進めようとしている。マナーや道徳についてもっともなことが書かれている。しかし、美しい自然など身近なことから愛国心の育成を意図しており、その点で、戦前の愛国心教育の手法と軌を一にしている。国家は、国民の「心」のあり方に干渉できないはずである。政府のイラク戦争支持や有事法制の動きとあわせて危険なものを感じるのは、私だけであろうか。

(2003年4月)


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