京都南法律事務所 新法・改正法の紹介

住宅瑕疵担保履行法
(弁護士 杉山潔志)
1 住宅瑕疵担保履行法の公布・施行
 平成19年5月30日に公布された住宅瑕疵担保履行法(特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保に関する法律)のうち、住宅瑕疵担保責任保険法人の指定、住宅瑕疵担保責任保険契約に関する紛争処理に関する責任が平成20年4月1日から施行されます。住宅建設瑕疵担保保証金、住宅販売瑕疵担保保証金に関する規定の施行は、平成21年10月1日から施行されます。

2 法律制定の経緯
 欠陥住宅が社会問題化する中で、平成11年に住宅品質確保法が制定され、平成12年4月1日に施行されました。住宅品質確保法は、住宅の品質の確保、住宅購入者の保護、紛争の迅速・適正な解決をはかるため、住宅の性能表示基準、評価制度を設け、新築住宅の瑕疵担保責任期間を10年とし、住宅の請負・売買に関する相談や紛争を処理する機関として住宅紛争処理支援センターを設けました。
 しかし、その後、構造計算偽装問題が発覚するなど住宅に対する国民の不安が増大し、住宅に隠れた瑕疵(欠陥)があった場合も、請負業者や販売業者が倒産したり、資力不足のため、損害賠償を受けられない事態も生じました。そこで、欠陥の補修や損害賠償など住宅の瑕疵担保責任が確実に履行されるようにするため住宅瑕疵担保履行法が制定されたのです。

3 住宅瑕疵担保履行法の概要
 法律が対象としている住宅は、平成21年10月1日以降に引き渡される新築住宅(戸建、マンション、賃貸)です。新築とは、建築工事完了日から1年以内のもので住居の用に供されたことのないものです。また、住宅とは、人の居住に供する家屋または家屋の部分のことです。
 法律は、新築住宅を引き渡す建設業者や宅建業者に瑕疵担保を履行する資力の確保を義務付けました。建設業者や宅建業者は、資力確保のため、住宅の供給戸数に応じて計算される金額を供託所に供託するか、瑕疵による損害が発生した場合に保険金を支払うため個々の住宅について保険契約を結ばなければならなくなりました。瑕疵が発見されたときは補修を行うことが原則で、供託金の還付は業者が倒産した場合などに限られています。また、保険契約では支払われる保険金額が2000万円以上と定められましたが、故意・重過失で瑕疵が生じた場合には売主などに保険金の支払いはありません。
 法律が対象としている瑕疵は、構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分に関する瑕疵と定められています。

4 紛争の処理
 住宅紛争処理支援センターが住宅瑕疵担保責任保険契約にかかる紛争の処理などの業務も扱うことになりました。(TEL 03-3261-4567 http://www.chord.or.jp/)
 京都弁護士会にも住宅紛争審査会が設けられ、住宅品質確保法の評価住宅や住宅瑕疵担保責任履行法の保険契約にかかる新築住宅に関する紛争について、あっせん、調停、仲裁の業務を行っています。
(TEL 075-253-0634)

情報更新:2008年3月
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