京都南法律事務所 新法・改正法の紹介

過労死等防止対策推進法
(平成26年法律第100号・平成26年6月20日成立、平成26年11月1日施行)

(全会派一致で可決)
 この間、全国過労死を考える家族の会等が中心となり、過労死防止基本法の制定を求める運動が取り組まれていました。その運動を大きな契機として、「過労死防止基本法制定を目指す超党派議員連盟」により、超党派案がまとめられ、全会派一致で可決成立しました。
 55万人を超える請願署名、地方自治体の意見書(110地方議会)が、大きな力となり、国会を動かしたものです。

(国などに過労死防止に向けた責務)
 この法律は、「近年、我が国において過労死等が多発し大きな社会問題となっていること及び過労死等が、本人はもとより、その遺族又は家族のみならず社会にとっても大きな損失であることに鑑み、過労死等に関する調査研究等について定めることにより、過労死等の防止のための対策を推進し、もって過労死等がなく、仕事と生活を調和させ、健康で充実して働き続けることのできる社会の実現に寄与すること」を目的としています。
 そのために、過労死等を防止するための対策を効果的に推進することを、国の「責務」としています。抽象的ですが、法律として明文化されたことは大きなことであると思います。国民にも過労死等を防止する重要性を自覚し関心と理解を深める努力義務(責務)が記載されています。過労死に関して国民にそのような「責務」はないと思いますが、超党派案としては、仕方ないかもしれません。
 眼に見える活動として、過労死等防止啓発月間(11月)を設けることになりました。この11月に各地で啓発月間の行事が行われていますが、東京では、厚生労働省が主催し、 全国過労死を考える家族の会などが協力という形で集会が開かれ、また、大阪では、運動団体の集会に労働局の担当者が挨拶をしています。

大綱の制定がカギ)
 政府は、過労死等の防止ための対策を効果的に推進するため、「大綱」を定めることになっています。そこにどれだけ具体的な「対策」が盛り込まれるかが、カギとなります。
 また、なによりも、長時間労働を助長し、過労死・過労自殺の原因を増幅させるような今の政府の政策を改めることが、法律を生かす第一歩だと思います。

(参考のHP)
1 法律の概要・条文、関連法令など(厚生労働省)
  http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000053525.html

2 取り組みの中心となった団体(全国過労死を考える家族の会)
  http://www.geocities.jp/karousikazoku/ri-hu/ri-hu-kakuti.html

弁護士 中尾 誠

情報更新:2014年12月
 
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