京都南法律事務所 新法・改正法の紹介

特定秘密保護法が施行されました −その問題点は

★ 昨年12月10日、特定秘密保護法が施行されました。特定秘密保護法は、主に以下のような問題点があります。

  • いったん特定秘密に指定されると、60年以上公開されない可能性がある
  • 広範囲の人が処罰の対象となるおそれがある(実は、国会議員や一般市民も対象とされている)
  • 未遂(実際に情報は洩れなかった)や過失(うっかり)も処罰される
  • 漏えい罪の処罰は、「10年以下の懲役及び1000万円以下の罰金」であり、従来の(情報漏えいを防止する)法制度と比較して、極めて重い
  • 「適性評価」という制度で、公務員や委託を受けた者のローンの返済状況や精神疾患による通院歴など、センシティブ(知られたくない)情報が調査され、プライバシー権が侵害されるおそれがある(家族、同居人の名前、生年月日、国籍、住所も対照となる)

★ さらに、集団的自衛権との関係も問題です。今年10月6日の衆院予算委員会での安倍首相の答弁で、「集団的自衛権を行使するために必要な武力行使の新三要件を満たすという判断に至った根拠となる情報が、特定秘密保護法に基づく特定秘 密に指定される可能性がある」と言及しているのです。国民は、「なぜ、どのよ うな事実によって集団的自衛権が行使されるのか」という極めて重要なことが分 からないまま、他国の戦争に巻き込まれていくおそれがあります。

★ 戦前戦中の軍機保護法(1899年公布)は、軍事秘密を保護するために民間人も処罰の対象として、それらの情報の漏えいや収集、探知を禁止しました。1937年の改正で秘密の範囲を陸軍大臣又は海軍大臣が定めるとされてから、国家はこの 法律を自在に使い、国民の言論統制に利用するようになりました。見せしめのような処罰をして人々を委縮させ、言論統制によって権力側にとって都合の悪い意見を排除し、最終的には戦争に突き進んだ戦前と同じようにならないと言い切れるでしょうか。

★ 情報は主権者である私たち国民のものです。むしろ、国民に情報公開の途をひらいていくことが、必要なことではないでしょうか。

弁護士 清洲 真理

情報更新:2015年1月
 
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