京都南法律事務所 法律相談Q&A

離婚と税金

 離婚の際に授受する慰謝料や財産分与に税金はかかるのでしょうか。


受けとる側と税金
 まず慰謝料についてですが、所得税法は「損害賠償金で心身に加えられた損害(中略)に基因して取得するもの」については所得税を課さないと定めています。離婚による慰謝料は、それまでの夫婦関係の中で生じた、あるいは離婚自体により生じた精神的苦痛に対する損害賠償金ですから、受領する側には所得税はかかりません。
 次に財産分与ですが、夫婦の固有財産以外の財産は、婚姻中の夫婦の協力によって得たものとされるので、離婚の際の妥当な額の財産分与については受領する側に所得税はかかりません。しかし、財産分与の額が、婚姻中に得た財産に対する協力の程度、社会的地位その他一切の事情を斟酌しても過大である場合等は贈与税が課せられることがあります。なお、慰謝料や財産分与として不動産を受けとる場合には、登記の際に登録免許税が課税されます。不動産取得税は、財産分与として受け取った不動産のうち夫婦の財産の精算として受けとった分にはかからない取扱いです。

支払う側と税金
 慰謝料や財産分与として現金や預貯金を払う場合には税金はかかりません。ところが、不動産で払う場合には、与えた側に譲渡所得税がかかります。つまり、課税当局、裁判所は「財産分与による資産の移転は財産分与義務の消滅という経済的利益を対価とする譲渡」と解す立場をとっています。たとえば1000万円で購入した不動産を相手に財産分与として譲渡し、その時点の評価が4000万円であったとすると、その差額3000万円が課税すべき所得とされるのです。なお、居住用不動産の場合には3000万円の特別控除がありますが、翌年3月15日までに申告する等の細かな要件があります。
 離婚の話し合いでは、譲渡所得税のことも考えて合意することが大切です。
(弁護士 吉田眞佐子)

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