京都南法律事務所 法律相談Q&A

高齢の夫婦の離婚と財産分与

 私の夫は58歳の会社員で、私は56歳の主婦です。夫が他の女性と交際していることがわかり、離婚することになりました。夫に対してどのような請求ができるのでしょうか。
 2人の子どもは成年になり、それぞれ仕事もしています。


 あなたは、ご主人に対し、慰謝料と財産分与を請求することができます。財産分与では、夫婦で築いた財産を精算すること、離婚後の生活に困る配偶者の扶養の必要性の有無・程度などを考慮して分与額が決められます。


 2人で築いた財産といっても、借家住まいで、不動産や預金などの財産はありません。
 夫は60歳で定年退職すれば退職金の支給を受け、年金の受給もあるのですが。
 すでに支払われている退職金については、財産分与の対象になるとされています。退職金は、賃金の後払いであって、妻の長年の協力があったことで夫が勤務を続けることができて退職金の支給を受けることになったと考えられているからです。
 これに対し、離婚の時に支払われていない退職金は、将来の所得であって確実にどれだけ支払われるかわからないので、分与の基礎に入らないけれども、退職金を考慮して分与額を算定すべきであると考えられています。ただし、最近では、定年退職時に支払われる退職金債権などと考えて、その半額の分与を命じた裁判例もでてきています。
 年金については、2007年4月から年金分割制度が実施されていますので、別項(離婚時の年金分割)を参照してください。

離婚の時にどんな約束をしておかなければいけないでしょうか。
 退職金については、離婚後3年間は請求できますが、離婚時にきっちりと取り決めておくことが大切です。
 財産分与に関しては、離婚後2年間は請求できますが、退職金も含めて離婚時に合意をしておくことが大切です。退職金は将来の支払ですから、その部分について支払い時期を考慮することも1つの方法です。
 また、年金についても、離婚後も2年以内であれば請求が可能ですが、離婚時に処置をしておくことが大切です。
(弁護士 杉山潔志)

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