京都南法律事務所 法律相談Q&A

犯罪被害者の権利保護の制度

 娘が犯罪被害に遭い,入院中です。障害が残る可能性が高いと言われました。被害者が刑事裁判に参加する制度があるのですか。


 故意の犯罪行為により人を死傷させた罪,性暴力犯罪,業務上過失致死傷罪,逮捕監禁罪,略取誘拐罪など一定の犯罪については,刑事裁判において,被害者らの手続参加の制度があります。検察官を通じて裁判所に申し出ます。被害者参加人は,公判期日に出席し,情状事項に関する証人尋問,意見陳述のための被告人質問,事実・法律適用に関する意見陳述などを,裁判所の許可を得て行うことが可能です。また,刑事記録の閲覧謄写も可能です。

 加害者には国選弁護人がついています。当方も国選の弁護士を頼めるのですか。
 一定以下の資力であれば,日本司法支援センター(法テラス)を通じて,裁判所に被害者参加弁護士の選定を請求することができます。

 刑事裁判では,被害者側のプライバシーを保護してもらえますか。
 性暴力犯罪や,犯行態様・被害状況等により被害者等の氏名等を公開法廷で明らかにされることにより被害者等の名誉又は社会生活の平穏が著しく害されるおそれがあるときは,被害者等の申出により,裁判所がこれを非公開とする場合があります。

 刑事裁判で損害賠償請求も可能ですか。
 被害者参加の可能な犯罪のうち,刑法211条の罪(業務上過失致死傷,自動車運転過失致死傷)等を除いては,刑事裁判の弁論終結までに損害賠償命令の申立てが可能です。しかし,4回以内の審理期日での終結が原則であり,決定に対し異議申立てがあれば民事訴訟に移行し,通常の訴訟印紙代が必要となります。なお,不法行為による損害賠償請求権の時効は3年です。

 加害者から賠償金がとれない場合は,公的補償制度はありますか。
 犯罪被害者等給付金制度(遺族給付金,重傷病給付金,障害給付金)があります。受給権の時効期間は原則2年ですから注意してください。親族間犯罪,犯罪被害の原因が被害者側にもある場合,労災保険等他の公的給付や損害賠償を受けた場合には,全部又は一部の支給がされない場合があります。

 実は,娘の戸籍上の夫が加害者です。加害者の暴力がひどく別居状態でした。
 平成21年10月1日以降のDV事件については,保護命令が発せられた等特別の事情があり,被害者側に帰責事由がない等特に救済の必要が高いときは,上記給付金を全額支給できるとされました。
(弁護士 吉田眞佐子)

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