京都南法律事務所 法律相談Q&A

債権譲渡と貸金債権の消滅時効

 私は、昭和60年ころにABCクレジットから20万円借り入れて、2回ほど返済しましたが、返済不能となり、その後は全く返済をしませんでした。今般、ABCクレジットから貸金債権を譲り受けたので元金と利息・遅延損害金を支払うようにとのXY商事から請求書が送られてきました。支払請求に応じなければなりませんか?


 まず、もとの債権者であるABCクレジットがXY商事に債権譲渡をしたとの通知をするか、債務者であるあなたが債権譲渡を承諾しなければ、XY商事は、あなたに対し、貸金の債権者であることを主張できません。これらの事実がなければ、債権譲渡があなたに対抗できないとして支払いを拒否できます。
 次に、貸金債権の消滅時効を援用して支払いを拒むこともできます。貸金債権の消滅時効は、貸主が個人の場合は10年、会社の場合は5年です。時効は権利を行使できるときから進行し、承認があると中断します。債務返済は貸金債権を承認したことになりますが、あなたの場合、最後の支払いから20年以上も支払がなかったので、現時点では、消滅時効期間が経過していますので、債権の消滅時効を援用することができます。時効を援用すると遡って貸金債権が消滅するので、貸金の支払いを拒むことができます。
 そこで、XY商事に対し、内容証明郵便等で債権譲渡が対抗できないこと、消滅時効の援用により、支払いを拒む旨の意思表示をするとよいでしょう。
 ただし、消滅時効完成後、その事実を知らなくても債務を承認すれば消滅時効を援用できないと解されていますので、注意が必要です。

(弁護士 杉山潔志)

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