京都南法律事務所 法律相談Q&A

大学生のバイク相乗り事故 親の賠償責任は…

 私の大学2年生の長男が1カ月程前に同じ大学のクラスメートの運転する50ccのバイクに相乗りさせてもらい帰宅する途中、スピードを出しすぎ、電柱に激突して大怪我をしました。ところが、その御両親は息子の名義のバイクであり、大学生にもなっているので親としては責任は持てないといいます。そんな弁解が許されるのでしょうか。


 自動車(オートバイも含む)事故の場合、自動車損害賠償保障法3条により、事故を起こした車の運行に対して支配を有している者は、運行供用者としての賠償責任を負うことになっています。車の持主が原則として右運行供用者として責任を負うことは当然ですが、問題は未成年者の所有名義になっている場合に親の責任を問えるかということです。
 判例では、未成年者の名義であっても、親が購入代金や修理代、ガソリン代、税金等の管理費用を負担している場合には、親が実質的に車の管理処分に発言力をもっていると考えられるので、運行供用者として賠償責任は負うとされています。
 これに対して、その友人が既に職業についていたり、親元から離れてアルバイト等で自活し、一切親の援助を受けていない場合は、親に責任追及するのは困難となります。
 右のような点をもう少し調査されてみたらどうでしょう。
 なお、親に運行供用者としての責任がないときでも、それ以前にその子どもが事故歴や飲酒運転等の悪質な違反歴があるのに何ら注意しなかった場合には、親としての監督義務違反があるとして親に賠償請求することは可能です。

〈好意同乗〉について
 未成年者本人、あるいは御両親のいずれに賠償請求する場合でも、お宅の息子さんが相乗りさせてもらっていたという点は、いわゆる好意同乗として賠償額を減額される可能性があります。
 また、2人乗りが法令で禁止されているバイクにあえて同乗をしたという点でも、同乗者の存在が運転に影響を生じやすいバイクでは被害者側の過失として減額理由とされやすいでしょう。

子どもに車やバイクを持たせるときの注意
 最近は、未成年者が車やバイクに乗ることが珍しくありません。いつ、自分の子どもが事故を起こすという逆の立場に立たされるかわかりません。子どもに車を持たせる以上、強制保険はもちろん、任意保険に加入しておくことが不可欠です。任意保険料も払えないようでは、車は持つべきではありません。

(弁護士 岩佐英夫)

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