京都南法律事務所 法律相談Q&A

非嫡出子の相続

 私の母は、一度目の結婚でM子を産み、その後M子を夫のもとにおいて離婚し、二度目の結婚で私を産みました。母は前夫とは婚姻届を出していましたが、私の父とは夫婦別姓を実践するため一度も婚姻届を出していません。私の父は昨年亡くなりました。母が亡くなると母名義の財産はどうなりますか。(T子)


 あなたのお母さんの法定相続人はM子さんとあなたの2人です。M子さんとあなたは異父きょうだいですが、M子さんは嫡出子(正式の婚姻関係にある父母の子)であり、あなたは非嫡出子です。民法上非嫡出子の法定相続分は嫡出子の2分の1です。よって、M子さんは3分の2、あなたは3分の1が法定相続分です。
 なお、この民法の非嫡出子相続差別については憲法の平等原則に違反すると争われ、高裁で違憲判決も出ましたが、最高裁はかろうじて合憲と判断しています。1996年2月にまとめられた民法改正要綱案では、この相続差別は廃止するとなっています。父母の法律上の婚姻関係の有無は、子には何の責任もないことで当然です。しかし、夫婦別姓を含むこの民法改正はまだ実現していません。

 母に「T子にすべてを相続させる」との遺言書を書いてもらったら私1人が相続できますか。
 はい。でもM子さんには遺留分があり、法定相続分の半分まで取り戻す権利があります。

 母からの生前贈与を受けておいた方がよいでしょうか。
 贈与でも相続開始前1年以内にしたものや、その前でも遺留分権利者を害することを当事者双方が知ってしたものは、遺留分減殺請求権の対象となります。また、贈与税と相続税では、基礎控除額や税率等が異なります。財産の内容、金額、遺留分減殺請求権を行使される可能性の有無など具体的事案に即した判断が必要です。
(弁護士 吉田眞佐子)

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