京都南法律事務所 法律相談Q&A

「遺言書」が出てきたら…。

 私は、奥さんも亡くなり、子どももいない義理のおじさん(夫の叔父)の面倒を見てきました。  そのおじさんも先日亡くなり、家の中を片付けていたところ、すべての財産を私に譲ると書かれた自筆の遺言書が出てきました。おじさんの相続人は、私の夫とおじさんの弟・妹の3人です。どのようにしたらよいでしょうか。


 自筆の遺言書を見つけたら家庭裁判所で検認の手続きを受けなければなりません。検認というのは、家庭裁判所が遺言書を検査し、その存否・内容を確認することです。
 検認の際は、相続人に検認を行うことを知らせる必要上、関係者の戸籍謄本・住民票を添えて、申立ての手続きをすることになります。

 おじさんの遺産としては不動産があります。
 遺言書の検認後は、どうしたらよいでしょうか。
 遺言書で遺言執行者の選任がなされておれば、遺言執行者から委任状と印鑑証明書等を準備してもらい、おじさん名義の不動産をあなたの名義に登記することになります。
 遺言執行者の選任がなければ、あなたの夫とおじさんの弟・妹の3人から委任状・印鑑証明書等をもらって、不動産の登記名義をあなたの名義に移転することになります。


 おじさんの弟が、財産を分けてくれなければ、登記手続に協力しないと言っていますが。
 被相続人の兄弟には、配偶者や子ども・親と異なって、遺言によっても奪われない相続財産に対する最小限の持分である遺留分がありません。
 したがって、あなたには、おじさんの弟に対して遺産の一部を与える義務はありません。
 どうしてもおじさんの弟が、登記手続に協力してくれないときは、裁判所に対し、登記手続への協力を求めて、訴えることもできます。

通常の遺言の種類

▽自筆証書遺言
 本文、日付、遺言者の氏名を遺言する人が自筆で書き押印した遺言。家庭裁判所での検認が必要。

▽公正証書遺言
 公証人が遺言者の口述した内容を筆記して、遺言書を作成し、遺言者と証人2名が署名、押印して作成される遺言。検認は不要。

▽秘密証書遺言
 遺言者が署名、押印した遺言書本文を入れた筒書に公証人が遺言書である旨の記載をし、証人2名が署名、押印して作成される遺言。家庭裁判所での検認が必要。

(弁護士 杉山潔志)

戻る
home