やましろのくに 山背<やましろ>の国のよいこと・よいもの・よいところ…
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No.56 おんごろどん もぐら追い行事(京田辺市、江津、宮の口地区)




 おんごろとはもぐらのこと。昔は各地にあったもぐら追い行事も現在はほとんど姿を消していますが、その行事が子どもたちだけの手で伝えられているところがあります。
 京田辺市、江津、宮の口地区では毎年1月14日の夜、地区の小学生の男の子たちによって行われます。ワラを芯になわで巻いた棒状のものを地区の白山神社に供え、おまいりをしたあと手に持って家々をまわります。
  「おんごろどんうちにか、よこづちどんのおんまいだあ、 おまけおまけ」と合唱しながら地面を何度も叩きます。その意味を知りたいところですが誰も知りません。各家では、 おやつやお小遣いを渡してお礼を言います。昔は小学校高学年の子ども達の行事でしたが、子どもが少なくなった現在は、来年1年になる子から参加します。終わったあと、 そんな小さな子たちにもいただいたお礼が平等に渡るように面倒をみるのは6年生たちです。寒く暗い夜道を元気にまわり、いっさいを自分たちの手で行い次の年へ引き継い でいく姿は頼もしい限りです。農作物へ大きな被害をもたらすもぐらにも「あっちへ行ってもらう」とのことで、邪魔なものは一方的に有害ときめつけ駆除、抹殺するという現代社会のあり方に貴重な示唆を与えてくれているように 思いました。

(切り絵と文 川越 義夫)
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