やましろのくに 山背<やましろ>の国のよいこと・よいもの・よいところ…
切り絵とエッセイで紹介します
一覧へ

No.59 三栖神社の炬火祭り(京都市伏見区)


三栖神社は、京阪中書島郡駅下車、西へ徒歩約六分の所にあり、天武天皇を祭神とする、三栖地区一帯の神社です。大友皇子と対立する天武天皇は、奈良県吉野より、大津の都に向かう際、三栖の住民が松明をかざして、一行をお守りしたのが、三栖神社の祭りの始まりだと、伝えられています。炬火祭りは「葦(よし)」で作った大炬火を、若衆が担いで練り歩く祭りですが、一九五六年を最後に炬火の担ぎ手の若者が少なくなり、一時中止になりました。しかし、三栖地区の住民の中より「矩火祭りの復活を!」の声が高まり、五年前から再び大矩火祭りが復活しました。

 毎年十月十二日夜八時、前の年の十一月から「葦」を刈り取り、一年がかりで乾かして作った直径約一m余り、長さ約四m余りの大矩火が、炎を吹き上げ、火の粉をまきちらして、担ぎ手の若衆達の「アーヨイヨイヨイ」の掛け声と共に、担ぎ練り歩く矩火祭りは、見るからに勇壮な祭りです。(府会議員松尾孝氏の話や提供資料より)

(切り絵と文 渡辺 勝)
作者プロフィール



home