安易な外国人労働者の受け入れ拡大に反対します! 弁護士/清洲 真理

 安倍政権の下で出入国管理法が改正され、今年4月1日に施行されました。
 主な改正点は「特定技能1号」「特定技能2号」という 新たな在留資格制度を創設する点です。
 厚生労働省によると、2018年10月末時点で、外国人労 働者は約146万人(うち技能実習生が約30万8000人)で 過去最高を更新しました。国籍別では中国・ベトナム・ フィリピンの方が上位を占めます。
 外国人労働者は、雇用が不安定、社会保険の未加入が多い、法定労働条件確保上の問題が認められる事案が多いと指摘されています。中でも技能実習生は、本来の目的から逸脱し、受け入れ先の企業で低賃金・単純労働に従事させられるケースが横行し、人権侵害や最低賃金法及び労働基準法等の労働関係法令違反、中間搾取の温床となっています。

 改正法では、この技能実習制度において技能実習2号を修了した者が「特定技能1号」へ無試験で移行すると予定されています。しかし、技能実習制度による人権侵害等の問題を棚上げにしたまま、外国人労働者の受け入れ拡大を推し進めれば、更なる人権侵害を引き起こしかねません。
 外国人の方が地域でどのように暮らし、どういった働き方をしていくかについて、国民の議論も十分ではありません。安倍政権の強引な姿勢は、改正の目的が、外国人の方を受け入れて多文化共生社会を築くことを目指すものではなく、安価な労働力を求める経済界の要求を重視したとしか思えません。今後の動向を注視し、日本で働く外国人の方が孤立し搾取されることのないよう、環境を整えていくことが必要です。


(2019年5月)

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