精華町違法公金支出事件 弁護士/石井 達也

 私たちは、精華町長に対し、7月13日、精華町による違法な公金支出の返還を求める訴訟を提起しました。
 精華町には、宗教法人が設置している武内神社があります。
 精華町は、昭和56年に、武内神社の敷地内に「北稲区民いこいの家」を建設しました。その後、「北稲区民いこいの家」には、「武内神社社務所」の看板(2022年現在は撤去済み)が掲げられ、武内神社の社務所として使用されてきました。また、精華町は、北稲八間自治会に対して、「北稲区民いこいの家」の管理を委託し、委託料を払っていました。
 憲法89条は、「公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため」に「これを支出し、又はその利用に供してはならない」としています。
 今回、精華町は、宗教法人である武内神社に、「公の財産」である「北稲区民いこいの家」を社務所として使用させ、さらにその社務所の管理を「公金」を払って自治会に委託していました。これは、宗教上の組織である武内神社の使用、便益のために、「公の財産」を支出し、利用に供していたものに他なりません。
 そこで、私たちは、精華町に対し、4月19日、地方自治法に基づく監査請求を行いました。しかし、精華町による監査の結果は、請求を却下ないし棄却するというものでした。
 私たちは、このような監査結果を不服とし、7月13日、京都地方裁判所に訴訟を提起し、違法な公金支出の返還を求めています。

いこいの家資金の流れ図
(2022年11月)

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