年金訴訟の第1回弁論が開かれます 弁護士/井関 佳法

 「年金引下げは生存権侵害で違憲だ!」京都訴訟の第1回弁論が、10月21日、大阪地裁で開かれます。
 全国39地裁に約4600名、京都では121名の原告がこの裁判に立ち上がりました。原告団の広がりと規模の大きさが、問題の深刻さを示しています。
 今年の3月、生活保護受給世帯のうち、65才以上の高齢者が過半数を超えました。公的年金が老後の暮らしの支えになっていない実態が浮き彫りになりました。
 この裁判は提訴早々、各方面からの異例の注目を集めています。
 藤田孝典さんの「下流老人」、Nスペ取材班の「老後破産」等高齢者の生活困窮を取り上げた出版が相次ぐ一方、年金裁判を挙げて批判する「シルバー民主主義」という本も出されました。9月28日朝日新聞は、「隠れた貧困層」の連載初回で、原告の77才の女性を紹介しています。40代で離婚し子連れで寮母などをして息子二人を育てたこと、月9万円ほどの厚生年金の半分は家賃に消え、食費を削っても貯金を取り崩さざるを得ないこと、10年前に100万以上あった貯金が10万円を切ったこと。「年金収入だけでは生活保護の基準以下。だが、保護の申請は踏ん切りがつかない。」「200万人超の生活保護受給者の後ろに膨大な『隠れ貧困層』がいる。」と指摘しました。
 年金について生存権の切り口の本裁判の重要性は重要です。私も弁護団に参加しています、ご支援をお願い致します。


(2016年11月)

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