コラム 中尾 誠 
「大人の年齢」は、何歳?

 民法が改正され、2022年4月から成年年齢が20歳から18歳に引き下げられました。しかし、すべての場面において、18歳で成年(成人)と見なされるわけではありません。例えば、お酒を飲んでよいのは、これまで通り、20歳です。
 成年(成人)・大人となされる年齢は次の通りです。間違えないでください。

(15歳)
・遺言をすることができる-民法(961条)
・自分の意思で、養子縁組をすることができる-民法(797条)

(18歳)
・民法(4条)の成年となる年齢
  ― 契約をすることができる。但し、携帯電話の契約、不動産住宅契約、カードローン、銀行貸し付けなどについての、対応はまちまち
  ― 親権から離れる
・婚姻適齢(男女とも)-民法(731条)
・国民投票ができる-日本国憲法の改正手続きに関する法律(国民投票法)
・選挙において投票ができる-公職選挙法
・パチンコをすることができる-風俗営業法22条1項5号
・児童養護施設の入所年齢・原則18歳(最長22歳)-児童福祉法、但し、改正の動きあり
・裁判員への選任(但し、学生・生徒は辞退可)-裁判員の参加する刑事裁判に関する法律13条

(19歳)
・サッカーくじを買うことができる-スポーツ振興投票の実施等に関する法律(9条)
・自動車の二種免許の取得-道路交通法、但し、普通免許保有1年以上・特例教習等の制限付

(20歳)
・刑事罰において成人の扱い-少年法、但し、18歳19歳は、「特定少年」とし、「ぐ犯少年」から外す。
・養親となることができる-民法(792条)
・飲酒-未成年者飲酒禁止法
・喫煙-未成年者喫煙禁止法
・競馬、競輪などの公営ギャンブルをすることができる-競馬(競馬法)、ボートレース(モーターボート競走法)、競輪(自転車競技法)、オートレース(小型自動車競走法)
・国民年金の掛金の支払い義務-国民年金法(7条1項1号)

2023年3月