メンバーの素顔紹介 杉山潔志

『悪口』の功罪

 鎌倉時代に北条泰時によって編纂された「御成敗式目」という法律の第12条は、『悪口(あっこう)の罪』を定めていました。悪口が重大な場合には島流し、軽い場合も牢に入れるとされ、裁判中に相手の悪口を言えば直ちに敗訴となり、裁判の理由がないのに訴えた場合は、その者の領地を没収し、領地がない場合には流罪にすると定められていました。
 現代でも、他人の悪口を言うことは、ストレスを発散したり、快感をもたらすなどの効果があるのでしょうか。しかし、程度を超えた悪口は、法的責任をもたらす場合があります。
 伏見区内にあるマンションのテナントの美容院に入りびたりの女性管理人がおり、美容師さんが立入を禁じたところ、管理人が営業妨害となるような悪口を言い触らすという事件がありました。美容師さんが、損害賠償請求の訴えを提起したところ、京都地方裁判所は、管理人に慰謝料30万円の支払いを命ずる判決を言い渡し、最終的に、大阪高等裁判所で和解解決しました。
 古今を問わず、他人の悪口を言うときには注意が必要です。
(2008年5月更新)