やましろのくに 山背<やましろ>の国のよいこと・よいもの・よいところ…
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番外 飛行神社(八幡市)



▲ジェット機のエンジン

▲併設の資料館で模型飛行機などが見られます

 今月は写真での紹介です。

 京阪電車 八幡市駅を東へ5分程歩くと、静かな町並みにとけ込むようにして飛行神社があります。

  入り口から見上げると、車道に面したガラス張りのケースに収まった巨大なジェット機のエンジンがまず目をひきます。ここは、その名の示す通り日本最初にして唯一の航空関係神社なのです。

  航空機のパイオニアと言えば、誰でもがライト兄弟の名前を挙げるでしょうが、ライト兄弟の初飛行に先んじること10年。明治24年(1891年)に日本人として初めて、独学で「カラス型飛行器」というゴム動力によるプロペラ式模型飛行機を発明し飛行実験を成功させたのが、二宮忠八でした。模型とはいえ、プロペラ式の飛行機として世界初の発明でした。二宮忠八はさらに有人飛行が可能な「玉虫型飛行器」も設計し、日本軍に実用化開発を申請ましたが、当時の日本では夢物語と受け入れられませんでした。軍を除隊した忠八は八幡市で独力で飛行機の完成を目指しましたが、明治36年にアメリカのライト兄弟によって有人飛行が達成され、二宮の研究はついえました。

  後年、飛行機の研究からはなれていた忠八が、世界各地で航空事故が増えることに心を痛め、邸宅内に航空殉難者をまつる祠を建立したのが、飛行神社の起こりです。
  神社は平成元年に全面改修され、忠八の飛行原理発見百周年を記念し、拝殿の奥に資料館も併設されました。

  現在は、広く空の安全を祈願する神社として親しまれ、航空安全祈願のお守りやお札は、パイロットやスチュワーデスさんたちから、空の旅行をされる方にも人気です。

 夏の行楽シーズン、旅行の前に無事を祈願するのもよし。資料館に立ち寄って、忠八の夢に思いをはせるのも、工作の宿題のヒントにするも良いですね。
  境内の木々の間に静かに佇む、役目を終えた零戦の機首部やプロペラの上には、夏の空が広がっていました。


2004年7月31日

▲境内に立つプロペラ

▲飛行器の絵の絵馬。「客室乗務員試験合格」「ヘリコプター隊の安全祈願」「旅行の無事」などの字が並びます。中には「鳥人間コンテスト」での優勝を願う変わり種まで。

▲ 零式戦闘機の機首部



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