離婚後の子供との面会交流
非行少年と接している時、この子の家庭環境がもっと良ければ、非行に走らなかったのではと思うことがよくあります。子供は、家族、学校、地域などのつながりの中で、成長していくものですが、やはり、家庭(家族)の役割(影響)は最も大きいもののようです。
両親の離婚によって、子供にとっての家庭の果たすべき役割は、低下することになり、それを補完するものとして、別居親と子供の面会交流をどのようにすればよいのかということが問題となります。もちろん、別居親から見た場合に、「自分の子供に会いたい」という欲求は、人間として自然なものですので、その点は、別途、考慮することが必要ですが。
子どもとの面会交流は、原則、認められていますが、どのような形で面会するのが「子の利益を最も優先して考慮(する)」(民法766条)ことになるのかは、難しい問題です。
離婚後は、別居親は子供と面会を全くしていない例が半数を超えていますが、それも、一つの判断だと思います(同居親と子供との「平穏」な生活に要らない波風を立てないという意味で)。しかし、子供と会わないことが、養育費を支払わない「理由」になるとすれば、経済的により劣悪な状況を強いることになり、問題です。少なくとも、子供が別居親の援助(精神的な面を含めて)を必要とする場合には、手を差し伸べることのできる関係を作っておくことが必要だと思います。
同居親にとって、日々の子供の養育・監護自体が大変なことで、別居親と子供の関係など、考えることはできないというのが、本音かもしれませんが、「義務」ではなく、別居親との面会交流のことを時々考えることが必要だと思います。