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債務がある場合の財産処分

2026年1月9日

自分の物は、自由に処分できるのが原則です。いくらで売っても、ただであげることも自由です。 ただ、債務を抱えている場合は注意が必要です。処分によって財産が減って債務支払いができないとか、支払える金額が少なくなる場合には自由処分が制限されることがあります。

民法は、債務者が債権者を「害することを知って」財産を減少させた場合で、処分を受けた者(受益者)が処分の時に「債権者を害することを知っていた」場合には、債権者はこれを取り消せるとしています(裁判所に取り消しを命じてもらいます)。「詐害行為(さがいこうい)取消権」と呼ばれています(民法424条)。処分された物を債権者取消権を行使した債権者との関係で債務者に戻し債権者が支払いを受けられる処分前の状態を回復させる制度です。
売った価格が適正価格なら詐害行為になりませんが、時価より安く売った場合やただであげた場合は詐害行為となりえます。また、買主やただでもらった人が事情を知らない場合は取り消せませんが、知っている場合は取り消せることとなります。

似た制度に破産法の否認権があります。
自分の物は自由に処分できるのが原則ですが、破産申立の前に配当に回せた財産が処分されて減らされたり、特定の債権者にだけ支払いがなされたりすると、破産者の財産の公平な清算という破産制度の目的が実現できなくなります。
そこで破産法は、破産管財人が詐害行為だけでなく偏波弁済などを否認できる(取消せる)としています。
こうした行為が犯罪になる場合もあるので注意してください。強制執行を免れたり妨害するために行われた場合で、債務について民事の判決が確定している場合や民事訴訟係属中でも保全命令が出ている場合には、強制執行妨害目的財産損壊等罪となることがあります。
迷われたらご相談下さい。

弁護士 井関佳法

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