やましろのくに 山背<やましろ>の国のよいこと・よいもの・よいところ…
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No.106 けいはんな記念公園




 近鉄祝園駅からバスで約8分、豊かな田園であった相楽の丘陵が開発され新しい都市が作られています。その中の「けいはんな記念公園」を訪ねました。
 公園はその昔灌漑に利用されていた永谷池を中心に周囲の林を生かして構成され、土地の歴史を伝えてくれます。優しい風と陽光は訪れる人を包み、微笑みの交歓が広がっています。また、ありがちな○○禁止の立札や有料遊具は見えずいい感じです。そんな空間に子どもは自由に遊びを見つけているようです。すぐに近くの男児が松ボックリを握らせてくれました。
 政権交代で社会はこれまでと変わると思いたいのですが現実はそのままです。日本社会の多くの分野が市場原理主義競争社会となって喘いでいます。子どもの遊びは教育であり、教育の厚みは国民の生きる力です。子どもの遊びまでカネに換えてきたこの社会は、自殺増、人口減という社会として衰退の道を歩みはじめています。この危機的状況を救えるのは公共の場。自然を生かした公園は欠くことのできない大切な場です。集う人の表情を見て確信しました。

(切り絵と文・川越 義夫)
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