山背<やましろ>の国のよいこと・よいもの・よいところ… 切り絵とエッセイで紹介します |
No.114 木津川が伝えることば |
相楽郡南山城村大河原にある大河原発電所と木津川です。幾世代にもわたって住み続けられてきた集落から少し離れて発電所があります。発電を開始したのが1919年とありました。煉瓦作りの建物は、風景にとけこみ、村の一部として存在します。知力と思慮をもって未来を創る人々の姿を想わせ、共に生きると言葉を発しているようです。建物は日本建築学会による「全国の建物2000棟」にも選ばれています。建物の裏にまわると激しく水が流れ込み「現役」の姿がありました。 ロマンのある発電所の対極に、怒りの声を全身に浴びてなお進められる原発があります。一部の人の利益、今だけの便益のために核のゴミを子子孫孫に押しつける政治・経済のあり方は、それだけで道義に反します。 大河原発電所は80年余を経てなお元気、対する原発は耐用年数40年です。加えてその後に残る数万年、或いはそれ以上にわたって人が近づけない廃棄物、途方もない量の核のごみ――既に答えは出ているのです。 (切り絵と文・川越 義夫)
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