山背＜やましろ＞の国のよいこと・よいもの・よいところ… 切り絵とエッセイで紹介します

No.60　松花堂庭園（八幡市）

京阪八幡市駅からバスで約10分。「大芝」でおりると、 その名も美しい「女郎花」というところに竹林に囲まれて「松花堂庭園」があります。江戸時代の文人僧、 松花堂昭乗ゆかりの庭園です。 　松の内。訪れる人の姿もまばらで時折視界に入る人の姿が、そのまま動かぬ風景となってしまったかのような錯覚をおぼえます。そしてまた、竹林やひとむらの笹、様々の色調を見せる緑が、それと分からぬ風となってあたりを満たしているように思われました。 　全体は、6千坪に及ぶ庭園と庭園茶室、昭乗直筆の書画を中心にした資料館でなりたっています。 　竹に縁の深い八幡。庭園には全国から集められた40種の竹笹類が23種の竹垣を中心に配されています。また冬の茶花の代表、椿が約80種。共に静かに語りかけてきます。庭園にとり込まれた東車塚古墳、近くにあるもうひとつの車塚など古くからこの地に時を刻んできたものたちが、現在（いま）より先を作っていくものたちを見続けていくことでしょう。 （切り絵と文　川越　義夫） 作者プロフィール

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