やましろのくに 山背<やましろ>の国のよいこと・よいもの・よいところ…
切り絵とエッセイで紹介します
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No.80 伏見稲荷大社(京都市伏見区)




 五穀豊穣、商売繁盛のお稲荷さん。その門前の通りは昔の面影をとどめていて、しっとりとした色あいが優しい。子供の頃からのお稲荷さんのイメージは朱い鳥居と狐、その狐のお面を形どったせんべいが、今も一枚一枚ていねいに手焼きされていて、なんともなつかしい情景が見られる。特に縁日でなくとも人の足が途絶えることもない。 また本殿におまいりした後、千本鳥居の方まで足をのばす人も少なくない。稲荷山は寄進された鳥居がピッシリ並んでいて壮観だ。ひとまわりすれば冬でも汗をかく。山の上であった近所の人は、 毎日この鳥居の列を歩いているとのこと、息をはずませての森林浴は確実な現世利益となるだう。
 切り絵は楼門と朱の鳥居に雪がちらちら―そんな感じをあらわしました。実際には、山の鳥居は深い樹林の中に続いているので、このように遠望できるところはありません。

 (切り絵と文 川越 義夫)
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