やましろのくに 山背<やましろ>の国のよいこと・よいもの・よいところ…
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No.87 京都伏見の十石舟



 昔、伏見城の外掘であった濠川につながる宇治川派流沿は、数十軒の船宿や荷物問屋、酒蔵が立ち並び、淀川を上り下りし貨客を運んだ三十石舟や高瀬舟、柴舟など大小の舟の発着場で昼夜の別なく賑わっていましたが、陸上交通の発展に伴い次第に姿を消していきました。
 1994年に緑と水にふれる散策の道として整備され、1997年より伏見の活性化の一つとして観光協会が春と秋の土、日と祝日に限り、朝10時30分より15分毎に遊覧十石舟を運航しています。乗船は弁天さんで有名な長建寺前からで、三栖の伏見港公園までの往復約25分間の船旅です。白壁の酒蔵と柳が映える川筋を進むと蓬莱橋。橋の北詰に坂本龍馬で有名な旅籠、寺田屋が有り京橋を過ぎ、であい橋下をくぐると濠川と合流し川幅も広くなり、春には岸の桜が美しい。肥後橋を過ぎると、折り返しの伏見港公園に至ります。切り絵は、再現された荷揚げ場からの十石舟を表現しました。
(切り絵と文 渡辺 勝)
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