山背<やましろ>の国のよいこと・よいもの・よいところ… 切り絵とエッセイで紹介します |
No.99 源氏物語 宇治十帖「浮舟」(宇治市) |
源氏物語は、紫式部が書いたフィクション全五十四帖の恋愛長編小説ですが、宇治の舞台は、四十五帖の「橋姫」から最終「夢浮橋」までの十帖部分で、宇治十帖と呼ばれています。 この切り絵のモチーフの「浮舟」は五十一帖目にあります。浮舟は光源氏の子、薫の愛を受けます。しかし、彼は、実は彼女の異母姉の大君姫を愛し、タイプが似ている事で彼女を愛していました。浮舟は薫の愛を受けながら、光源氏の孫の匂宮の情熱にも惹かれ板挟みから宇治川に身を投じますが、通りかかった僧に救われ出家すると言う哀しい宿命の女として書かれています。 宇治川の周辺には源氏物語を愛する人達によって、宇治十帖にちなんだ古跡が設定され宇治川の清流や静かなたたずまいと、あいまって、訪れる人々を源氏物語の世界に誘ってくれます。 宇治神社前に宇治十帖の象徴として、ブロンズ像のモニュメントが有りますが、これをヒントに創作し、匂宮と浮舟が宇治川の堤で、屏風と朱の欄干の朝霧橋をバックに愛を語り合う姿を、イラスト風に切り絵に表現してみました。 (切り絵と文 渡邉 勝)
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