中尾 誠 Essay
「特別枠」について
2019年4月
今日(4月1日)、囲碁の最年少棋士が誕生しました。日本棋院の英才特別採用推薦棋士の第1号・仲邑菫さん(10)です。囲碁の世界は、女性の棋士が男性と同じシステム(但し、プロになるにあたって女流特別採用枠もあるので、全く同じではありませんが)の下、各棋戦を戦っています。仲邑さんは、「才能がある」、「世界チャンピオンになる逸材」とのことです。そうであれば、通常の棋士になる道筋に従って、他の大多数の「棋士の卵」と同じように、「難関」を突破し、「棋士」になればよいのではないでしょうか。
また、春のセンバツ高校野球が、いよいよ最終盤を迎えています。今回も、「21世紀枠」として3校が出場しました(いずれも初戦で敗退)。選ばれるための基準は、一定の成績があることに加えて、「他校の模範になる」「困難条件の克服」などのようです。いろいろ理由を付けても、実力で選ばれたものではありません。多くの高校の野球部は、甲子園出場を目指して「野球の練習を一生懸命している」のに、別の理由で、選ばれるのはおかしくないでしょうか。
その資格を得たり、それに出場するのに一定の枠があり、多くの人・団体がそれをめざしている時に、「特別枠」を設けるのではなく、同じルール(土俵)で、平等に競うのがよいのではないでしょうか。