京都南法律事務所

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中尾 誠 Essay

女性の年齢の表記
2022年10月
 本を読むのが好きで、よく本屋さんにいきます(アマゾンなどで買ったことは、ほとんどありません)。知らない著者の場合、本の末尾にある著者の略歴を見て、買うかどうかの参考にします。例えば、「1971年、東京生まれ、農学博…」
 しかし、著者が女性の場合、年齢(生年月日)が表記されていない例が多くあります(80%以上でしょうか)。それに反して、著者が男性の場合は、ほとんど、年齢(例えば、1953年生まれ、1971年4月生)は書かれています。一般的に、女性に年齢を聞くのは失礼だと言われます。その流れのなかでの対応なのかもしれません。
 本と言っても、小説、実用書、社会科学系、自然科学系など色々なジャンルがあり、一概に言えませんが、思想、哲学、社会学など社会科学系の本の場合、著者の年齢は、その人の背景、発想などを知るうえで、重要な情報だと思います。
 古くは戦争(第二次世界大戦)を体験したか、高度経済成長期に働いていたか、1989年のベルリンの壁崩壊の時は何をしていたか、物心がついたころからインターネットが身近にあったかなど、人間はその時代の影響(「制約」と言えるかもしれません)を様々な形で受けており、そのことが、その人の書いたものに様々な形で反映されているからです。
 著者のプロフィールとして、出身大学、研究分野、これまでの著書などは、女性の著者の場合も記載されていますので、なぜ、年齢を表記しないのか不思議です。年齢も重要なプロフィールの1つではないでしょうか。

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