杉山潔志 Essay
夏も近づく八十八夜
2026年4月
春風駘蕩。4月中旬ころから、里山や河川敷に広がる京都府南部の茶畑では茶摘みが始まり、5月1日の“八十八夜”
のころに最盛期を迎えます。思わず、「夏も近づく八十八夜野にも山にも若葉が茂る♪♪…」などと口ずさんでしまいます。宇治茶は、鎌倉時代初期に明恵上人が栂尾の茶種を宇治に持ち込んで栽培法を伝えたのが起源と言われています。江戸時代には宇治田原の永谷宗円が宇治製法(青製煎茶法)を開発して宇治茶はブランド化し、茶壷道中で幕府へ献上されました。
現在の宇治茶は、先人の努力の上に、さらに育成方法や茶葉の加工に工夫が重ねられ、玉露、かぶせ茶、碾茶、煎茶、番茶、ほうじ茶、抹茶など多様な製品が作られています。海外での抹茶ブームを受けて宇治抹茶の輸出量は増大し、需要に生産が追いつかない状態です。忙しさの中でも、お茶でゆったりしたいものです。
お茶と和菓子でゆっくりできたらいいなと思いながら、この原稿を書いています。

