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相続・遺言 Q A

面倒を見てくれた長男に財産をやりたい

Q

妻は亡くなったのですが、私には3人の息子がおります。長男には以前から面倒をみてもらっておりますので、私が死んだときには、財産をできるだけ長男にやりたいと考えています。どうするのが良いでしょうか。

A

あなたの相続人は息子さん3人で、各々3分の1の相続分を持っています。したがってあなたが何もしないで亡くなり、3人の話し合いがまとまらないときは、3人の息子さんが3分の1ずつ財産を相続することになります。
財産をできるだけ長男にあげたいなら、「遺言」を書いておくべきです。

Q

遺言を書く上で注意すべきことは何でしょうか。

A
1.まず法律的に有効な遺言を書かなければなりません。

法律は、いく種類もの遺言書を認めていますが、それが有効になるための厳しい要件を定めています。よく使われる遺言書としては「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」があります。「自筆証書遺言」は遺言者が自分で遺言内容の全文と日付及び氏名を書いて署名の下に印を押す必要があります。「加除その他の変更」は「その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければその効力がない」とされています。加除訂正があれば、一から書き直した方が安心でしょう。なお、2019年1月13日からは、不動産や預貯金債権などの財産目録については、「自書」でなくてもよくなりました。
「公正証書遺言」は公証人役場の公証人に遺言書を作ってもらいます。遺言書の趣旨を口で説明し、公証人がそれを書きとって書面にしてくれるもので、さらに証人2人が立ち会います。遺言の効力は「自筆証書遺言」と同じですが、遺言が遺言者の真意にもとづくものなのかということが争いになりにくいと言えるでしょう。またこの方式なら字が書けなくても話せる人なら遺言ができます。公証人に自宅や入院先に来てもらって作成することも可能です。

2.次に注意すべきことは、遺言書がかえって争いの種にならないようにすることです。

法律は各相続人に法定相続分を定めながら、他方で遺言で自由に遺贈できるとしています。
したがってあなたは、財産をすべて長男に遺贈すると遺言できます。
しかし法は、遺贈をもらえなかったり極端に少ない相続人の利益がまったく保護されないのも不都合と考えて、「遺留分」という制度を設けています。
被相続人の兄弟以外の相続人は、被相続人の財産の2分の1(直系尊属のみが相続人の時は3分の1)を取り戻すことができるとしています。法定相続分の2分の1(3分の1)はもらえるということです。
したがって、次男・三男の遺留分を侵害しない限度で遺言を書くことも考えてみてください。
なお、相続権は被相続人の生存中は放棄できませんが、遺留分は生前放棄できます(但し家裁の許可が必要)。したがって、次男・三男が遺留分放棄に応じてくれればすべての財産を長男に遺贈しても争いの起こる心配がありません。

弁護士 井関佳法
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