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高齢者の財産管理について

2012年2月7日

 高齢者の財産が食い物にされているという相談が少なくありません。その高齢者が、財産管理を行うのに必要な能力を保持しているか、すでに失っているかがまず問題になります。
 財産管理能力があれば、それは食い物にされているのではなく、原則として援助であったり贈与であるということになります。いずれにしても、その高齢者が財産を渡したくないと思ってくれなければ、まわりの者が手助けすることができません。
 財産管理能力のない状態になっていれば、財産を守ることを任務とする成年後見人を家庭裁判所に選任してもらうことが必要です。四親等内の親族であれば成年後見人選任の申立てができます。財産管理能力の有無は、精神科などで成年後見用の診断書を書いてもらうことで確認することができます(裁判所のHPに書式が載っています)。この診断書を添えて申し立てるのが好ましいのですが、高齢者が食い物にしている者の支配管理下にあって、精神科に連れて行けない場合は、診断書なしでも申立ては受理されます。こうした紛争性の強いケースでは、親族からではなく弁護士など法律専門家が後見人に選任されることが多くなります。成年後見人が選任されれば、成年被後見人の財産は成年後見人の管理するところとなりますので、食い物にされることはなくなります。しかし、過去に食い物にされた財産を取り返すことまでは、容易ではないと考えたほうがよいようです。
 従って、おかしいと思ったら、早く動いてあげることが必要でしょう。

弁護士 井関佳法

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