住宅の耐震性
2024年3月4日
元旦に発生した能登地震は、マグニチュード7.6、震度は志賀町や輪島市で7、七尾市・珠洲市・穴水町・能登町で6強、石川県の倒壊家屋8,783棟、半壊家屋9,702棟、死者241名(うち圧死者4割)、重傷者312名にのぼる甚大な被害を発生させています(内閣府2/22現在)。被害が多かったのは、古く耐震性に問題のある建物が多かったからと報道されています。
建築基準法の耐震基準は1981年(S56)に、旧基準から震度7でも建物が倒壊しない新基準に改訂され、2000年(H12)にも改正がありました。
旧基準 〜S55(1980) | |
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新基準 S56(1981)~ |
震度5では建物がほとんど損傷しない 震度6〜7でも建物が倒壊しない |
2000年基準 H12(2000)~ |
木造建物について、地盤調査、柱等の接合部に金物使用、耐力壁の適正配置を義務とした |
京都でも、花折断層で地震が起きると、左京・東・山科・伏見区では震度7~6強、その他市域広くで6強の震度が予想されています(京都市ハザードマップ)。
ところが、京都の耐震化率は木造建物の場合80%にとどまっており(R3京都府)、死者は4,100名、全壊焼失建物は121,000棟にのぼると予想されており、古い建物は耐震診断と耐震工事が必要です。木造住宅の場合、耐震診断は1軒5~15万円、耐震改修工事は100~300万円程度です(京都市pf)。耐震診断・工事には100万円を限度に4/5程度を補助する自治体が多くなっています。詳細は、お住いの市町村に問い合わせて下さい。ただし京都市は令和4年度から補助を休止しており重大です。市長選挙で争点となりましたが、復活が切に求められています。
弁護士 井関佳法