困難女性支援法の施行
困難女性支援法が2024年4月1日施行されました。この法律は、孤立・孤独対策の視点も含めて生活困窮、性暴力・性犯罪被害、家庭関係破綻など複雑化・複合化する女性をめぐる困難に対する支援を目的としたものです。 売春防止法にもとづいて設けられ、配偶者暴力防止法に規定された業務なども行ってきた婦人相談所、婦人相談員、婦人保護施設は、女性相談支援センター、女性相談支援員、女性自立支援施設へと名称を変え、取扱い業務が拡大されました。
女性相談支援センターは、性的な被害、家庭の状況、地域社会との関係性等による困難を抱える女性及びそのおそれのある女性を支援するため、相談、緊急の安全の確保や一時保護、医学的・心理学的援助、就労支援・住宅確保・援護・保育等の制度に関する情報提供・助言・関係機関との連絡調整などの業務を行います。また、都道府県及び女性相談支援センター設置指定都市に女性相談支援員を置き(市町村は置く努力)、民間団体との協働や民生委員等の協力が定められました。
京都府では京都府家庭支援総合センターが女性相談支援センターとされましたが、これ以外にも京都府と府下自治体に各種の女性相談窓口が設けられています。
政府は支援員手当の充実や負担金・補助金として52億円(2024年度)を計上し、京都府は2028年度までに府下の全市町村に女性相談支援員を配置する目標を掲げています。
困難女性の支援には、女性相談支援員の育成・確保、関連機関・団体との連携、女性自立支援施設の充実や退所後の継続支援などが課題として指摘されていますが、国の福祉施策の充実、非正規労働者の賃金是正、ジェンダー平等の実現など日本社会の変革も重要と思われます。