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財産分与の改正について

2025年1月8日

離婚に関して民法が2024年5月に改正され(2026年5月までに施行予定)、離婚後共同親権等が導入されたことは、10月にご紹介しました。今回は、財産分与に関する改正についてご紹介します。

(1)財産分与期間制限

財産分与とは、婚姻後離婚までに夫婦で形成した財産を離婚に際して分けることです。名義が夫か妻かにかかわらず、共同形成財産と考えます。 その期間制限を、これまでは離婚してから2年とされていましたが5年に伸長しました。2年では短すぎて財産分与の請求が難しい場合が少なくないと考えました。ただし、年金分割請求は従前2年の期間制限が変更されていないので注意してください。

(2) 原則半分ずつに

分け方の割合については、これまで裁判所では原則半分ずつとされてきました。今回の改正では、財産の取得、形成の寄与割合が明らかでなければ、寄与割合は等しいと考えると明記されました。
また、財産分与は上記のとおり、①共同形成財産の清算的要素がメインですが、②扶養的要素、③慰謝料的要素も含まれると考えられてきました。今回の改正で、そのことに配慮した条文とされました。

(3) 話合い →調停 →審判

財産分与についても、まず当事者で話し合います。話し合えない場合や話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所に調停申立が必要です。調停では裁判所が話し合いの間に入ってくれますが、それでも合意できない場合は、審判手続きに移行し、裁判官が決めてくれることとなります。

(4) 財産情報開示命令

財産分与を請求するのに、相手がどこにどんな財産を持っているか分からないでは困ります。請求する側が自分で調べるには限界があります。そこで今回の改正で、裁判所が財産情報開示命令を出せることにしました。

以上、財産分与に関する改正をご紹介しました。ご不明の点はご相談下さい。

弁護士 井関佳法

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