4 自己破産
支払不能に陥った債務者が、裁判所に破産手続開始決定を受け、債権額を確定するとともに財産を回収して金銭に換えて債権者に配当する手続きです。配当後に残った債務については、支払いの責任を免除する旨の免責決定を受けて、経済的な更生をめざすというものです。
申立人に財産がある場合には、財産管理人(破産管財人)が選任され、債権額を確定する手続を行うとともに、財産の回収、管理、換価をして、債権者への配当を行います。財産がない場合には、破産手続開始決定とともに手続きの廃止決定がなされ、破産管財人は選任されません(同時廃止事件)。だだし、財産がない場合でも、免責許可決定の要件がないときは、その調査や免責の是非を判断するために管財事件とされることがあります。財産を保有しているか否かについては、裁判所に一応の基準があり、破産手続によって予納金の金額が異なります。
債務者が破産手続開始の申立をすると、免責の申立をしたものとみなされます。財産の隠匿や債権者に不利益な処分をした場合、浪費や賭博によって財産を減少させたり債務を負担した場合など免責許可決定の要件がない場合には、免責決定がなされないことがあります。また、租税等の請求権や悪意の不法行為による損害賠償請求権、知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権、未払扶養料等には免責決定の効力が及びません。
●破産者が選挙権を失うことはありませんが、警備員になれないなどの資格の制限があります。但し、免責決定が確定すれば復権します。
手続きのながれ
破産手続開始決定の申立は、債権者一覧表や財産・収入を証明する資料などを添付し、手続きに必要な費用(予納金)を納付して、申立人(債務者)の住所地を管轄する地方裁判所に申し立てます。申立人に財産がある場合には、財産管理人(破産管財人)が選任され、債権額を確定する手続を行うとともに、財産の回収、管理、換価をして、債権者への配当を行います。財産がない場合には、破産手続開始決定とともに手続きの廃止決定がなされ、破産管財人は選任されません(同時廃止事件)。だだし、財産がない場合でも、免責許可決定の要件がないときは、その調査や免責の是非を判断するために管財事件とされることがあります。財産を保有しているか否かについては、裁判所に一応の基準があり、破産手続によって予納金の金額が異なります。
債務者が破産手続開始の申立をすると、免責の申立をしたものとみなされます。財産の隠匿や債権者に不利益な処分をした場合、浪費や賭博によって財産を減少させたり債務を負担した場合など免責許可決定の要件がない場合には、免責決定がなされないことがあります。また、租税等の請求権や悪意の不法行為による損害賠償請求権、知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権、未払扶養料等には免責決定の効力が及びません。
選択ポイント
●継続的な収入がない債務者が支払不能になったときは、破産手続によるほかありませんが、免責許可の要件がない場合は検討を要します。●破産者が選挙権を失うことはありませんが、警備員になれないなどの資格の制限があります。但し、免責決定が確定すれば復権します。